既存の機械類を入れ替えることなく維持管理の高度化を実現

導入したシステム:
画像解析システム

お客様の業務内容
大型機械(モーター含む)の圧力、温度、回転数、音、振動などを監視する業務で、稼働のタイミングにより、15分おき、30分おきなどに、1台当たり24項目を計測していました。計測対象の機械は150台ほどになります。(公共施設)

導入前の課題
  1. 計測項目が多岐にわたり、機付きメーターを目視で計測するもの、温度計を使用するもの、非接触式ハンドタコメーターを使用するものなど様々で、機器類の計測に時間がとてもかかる。
  2. 1.の理由により、本来監視員が気をつけなければならない、音や振動などの小さな変化や異常の察知が疎かになってしまう可能性があった。
  3. 目視計測した情報は紙に書き、事務所に戻ってコンピュータに入力する必要があり、手間がかかる上、誤入力の可能性もある。

導入に際して
計器類をセンサー式の新しい計器に取り換えることを検討。しかし、これらは機械の台数に関連して交換するべき計器が150近くなりコストが膨大にかかります。 そこで、エイムの監視カメラによる画像解析システムを検討することになりました。メーターをネットワークカメラで撮影し、画像解析してデータ化するため、メーター類の計器を交換する必要がなく、また1台のカメラで最大16台の計器を監視できるため、低コストで導入が可能とわかり導入を決定しました。

計測用のネットワークカメラを設置する際に、計器を正面からとらえることができないものもありました。少し斜めからになってしまっても、カメラで計器全体が写れば画像解析の際の指針の位置を認識させる指針設定やスケール設定することで、数値化が可能となります。

導入後改善されたこと
  1. 計測がカメラによる画像解析システムにより自動となったため、監視員は音や振動など人の本来の監視業務に注力することができるようになった。
  2. 計測データは自動で収集されるため、入力の手間が削減。数値データと共に画像データも記録されるため、後からの見直しチェックも可能となり、精度が上がった。
  3. ネットワークを経由して取得したデータを、監視モニタで一元管理で見られるようになった。

追加機能(オプション)
警報通知
閾値を設定することで異常を知らせる警報通知の機能を利用し、急激な変化が発生した場合は監視員や操作員に異常を知らせると共に、データと共に警報履歴が自動保存され、異常値データの確認ができるようになりました。警報による迅速な対応が可能になり、また障害を未然に防ぐことで機械の故障や停止を軽減することができるようになりました。
タブレットによるリアルタイム監視
監視員が携帯するタブレット端末で、各種データをリアルタイムで確認しながら、設備の音や振動などの小さな変化や異常の察知に注視することが可能になりました。またどこにいても異常があれば当該設備に駆けつけることが可能になりました。

お客様の評価
まず第一に異常の察知を素早く行えるようになったことで、安定した操業が可能となりました。そして、自動で計測取得したデータはサーバーに蓄積され、これらのデータを後から分析したり、加工、出力したりすることが可能となり、業務の効率化を図ることができました。
また、計測データ量が大幅に増えることで、設備の状態把握が容易にでき、修繕計画が立てられるようになりました。
今後はデータを解析し故障の予防を行うことと、音、振動センサーも追加で設置して監視員による監視結果と合わせてより精度の高い監視体制を作って行きたいと考えています。